こどもNISAは2027年1月から。月5万円まで、引き出せるのは12歳から

お金と制度
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2027年1月から、子ども名義でNISAが使えるようになります。「こどもNISA」と呼ばれている制度です。

この記事では、月いくら積み立てられるのか・途中で引き出せるのかを、順にお答えします。決まったことと、まだ決まっていないことは分けて書きます。

※この記事は2026年8月時点の情報です。

子どもの将来のためのお金は、長い時間をかけて育てます

こどもNISAは、子ども版の「つみたて投資枠」です

大人のNISAには、つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)があります。こどもNISAは、このうちつみたて投資枠だけを、子ども向けに小さくしたものです。成長投資枠にあたるものはありません。

項目こどもNISA
使える人生まれた年から、18歳になる年まで
1年に入れられる額60万円
合計で入れられる額600万円
買えるもの投資信託だけ(つみたて投資枠と同じ商品)
利益への税金かかりません

個別の株は買えません。買い方も積み立てだけです。利益に税金がかからないというのは、税の世界で所得として数えられない、ということです。このあたりは新NISAの利益で、保険料は上がりますかにまとめました。

月いくらまで積み立てられますか

年60万円は、月5万円です。大人のつみたて投資枠のちょうど半分にあたります。

ここで、ひとつ気をつけたいことがあります。積み立てられるのは、生まれた年から18歳になる年まで。生まれた年も1年と数えるので、およそ19年分あります。ところが合計の上限は600万円で、これは月5万円を10年続けた額です。つまり満額で積み立てると、最短10年で枠を埋めることができます。

ならして使うなら、月およそ2万6千円(600万円を19年・12か月で割った額)という計算になります。早く満額にするか、長く薄く積み立てるか。ご家庭で決めることになります。

積み立てのペースは、条文では「定期的に継続して」としか決まっていません。「毎月」と決まっているわけではなく、実際に何が選べるかは金融機関しだいです。いまの大人のつみたて投資枠では、毎月が基本で、毎日や毎週を選べる会社もあります。こどもNISAで実際に何が選べるようになるかは、2026年8月の時点で、まだどこの金融機関も発表していません。

途中で引き出せますか

ここが、いちばん気になるところだと思います。12歳からは、条件つきで引き出せます。

まず押さえていただきたいのは、積み立てる話と引き出す話は、別々に決まっているということです。積み立てられるのは、生まれた年から18歳になる年まで。引き出せるのは、12歳(小学校を卒業する年)からです。

積み立てられる年と、引き出せる年
  • 12歳の年になるまで … 原則として、引き出せません
  • 12歳の年から子の教育費または生活費に充てるため、という条件つきで引き出せます
  • 高校を卒業する年から … この条件がなくなります

12歳からの引き出しには、金融機関に書類を出し、お子さん本人が同意したことを示す書類を添えます。必要な分だけ引き出せばよく、口座もそのまま続きます。

決められた理由以外で引き出すと、そこまでの利益に20%(所得税15%・住民税5%)の税金がかかります。12歳より前に引き出したときと、12歳を過ぎていても教育費・生活費以外の理由で引き出したときが、これにあたります。引き出すこと自体が止められるわけではなく、引き出せば非課税ではなくなる、という仕組みです。

なお、この「12歳」「18歳」は誕生日ではありません。その年の3月31日時点の年齢で数えるので、学年の区切りとほぼ同じになります。見るのは年単位です。たとえば3月生まれのお子さんは、その年の1月1日にはまだ11歳ですが、3月31日には12歳になるので、1月1日から引き出せます。早生まれか遅生まれかで月単位のずれは出ますので、ご自身のお子さんがどの年に当たるかは、金融機関の案内でご確認ください。

12歳より前に、どうしても必要になったら

例外は1つだけです。災害や病気など、やむを得ない事由があるときに限り、引き出せます。ただし一部だけ引き出すことはできません。中身を全部払い出すことになり、その口座は廃止されます。

家計の現金は、別に持っておいてください

ここからは、産業医としても働いている立場から、ひとつ申し上げます。引き出せる理由は「子の」教育費または生活費とされています。親御さん自身のための出費は、ここには入りません。

親が病気やけがで働けなくなったとき、収入は減ります。そのとき、こどもNISAの中身は、すぐに動かせるお金ではありません。12歳より前なら、そもそも動かせません。病気やけがで休んだときに手元がどうなるかは、傷病手当金は給与の3分の2。手元に残るのは、およそ半分ですにまとめました。

だから、順番があります。家計を支える現金は、こどもNISAとは別に持っておく。こどもNISAは、そのうえで余裕のある分を入れる場所です。引き出せない場所にお金を置くほど、引き出せる場所の厚みが要ります。

ジュニアNISAとは、別の制度です

「ジュニアNISAと同じでは」と思われた方へ。別の制度です。ジュニアNISAは2023年で終わりました。新しく口座を作ることも、買い足すこともできません。すでに持っている分は、18歳になるまで非課税のまま置いておけます。

そして2024年以降は、金融庁の説明によれば「年齢や事由に関係なく、非課税での払い出しが可能」になりました。ただしこちらも一部だけの払出しはできず、全部を払い出して口座は廃止されます。いまのジュニアNISAは「出したいときに出せるが、出したら終わり」という状態です。

なお、ジュニアNISAの残高をこどもNISAへ引き継ぐ仕組みは、見当たりませんでした。

すでにジュニアNISAをお持ちの方は、その残高はそのまま置いたまま、2027年からこどもNISAを新しく始める形になります。

親のお金を入れるときは

子ども名義の口座に親のお金を入れる話は、こどもNISAという制度の外側の話です。親から子へお金を渡せば、贈与税の一般のルールに従います。年60万円という枠は贈与税の基礎控除(年110万円)より小さいので、それだけなら収まる形ですが、ほかの贈与と合わせるとどうなるか、渡し方をどうするかは、税理士や税務署にご相談ください。

まだ決まっていないこと(5つ)

法律は2026年3月31日に成立・公布され、2027年1月1日に施行されます。制度の骨格は決まりましたが、細かいところを決める政令と財務省令は、まだ出ていません。

  1. 金融機関で、いつから申し込めるか。法律にも大綱にも書かれていません。各社の準備しだいです
  2. 払出しのときに出す書類の形。財務省令待ちです
  3. 12歳より前に払い出せる「やむを得ない事由」の範囲。政令待ちです
  4. 18歳になったあと、600万円が大人の1,800万円にどう数えられるか。口座そのものは、18歳の誕生日ではなく、18歳になった翌年の1月1日に大人のNISAへ自動的に移ります。同じ口座に移るので大人の枠の内数になると読めますが、条文はその金額を「政令で定める金額」とするだけで、政令を見ないと断定できません
  5. やむを得ない事由で口座を廃止したあと、もう一度作れるか。条文に、禁じる文言も認める文言も見当たりませんでした

まとめ

論点押さえること
いつから2027年1月1日から
積み立て月5万円(年60万円)まで。生まれた年から18歳になる年まで積み立てられますが、満額なら10年で上限600万円
引き出し12歳から、子の教育費か生活費に限って。高校を卒業する年に、この条件がなくなります
順番家計の現金が先。こどもNISAは、すぐには動かせないお金として置く場所です

こどもNISAは、引き出しにくいことが欠点ではなく、設計です。子どもの将来のためのお金を、途中で使ってしまわないようにできています。裏を返せば、急に必要になるお金を、ここに置いてはいけないということです。

始まるまで、まだ時間があります。制度が固まったころに、もう一度ご確認ください。

この記事で確認したこと(出どころ)

  • 租税特別措置法 第37条の14(2027年1月1日施行版をe-Gov法令検索で取り寄せ、原文を確認) https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日 閣議決定) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_01.htm
  • 財務省「第221回国会における財務省関連法律」(成立日・公布日) https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/221diet/index.html
  • 金融庁 NISA特設ウェブサイト(ジュニアNISA) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/overview/index.html
  • 国税庁 タックスアンサーNo.4402「贈与税がかかる場合」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm

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